ストーリー
◆ストーリー
―聞こえるかい? 僕の声が、聞こえるかい?
まどろみの中で呼びかける声。とても優しくて、懐かしい声。
眠っていた感覚のひとつひとつが、ゆっくりと目を覚ましていく。
吹き抜ける風が鳴り響く音。緑の匂いと大地の手触り。
今ここに、確かに自分が存在しているという証。なのに・・・。
「俺はどうしてここにいるんだ?」(「私はどうして、ここにいるの?」)
果てしなく広がる白夜の空をあおいで、嘆きの声が重なりあう。
ひとつの身体へと宿ってしまった、ふたつの異なった魂。
ありえない現実と認めたくない事実を前に、ふたつの心は不安で潰れそうになる。
けれども・・・。
―君たちは二人で一人の存在。それは、力をあわせて旅をしていくためなんだ。
おびえる魂たちを声は導く。そうすることが、当然であるように。
知らなかったことを知るために。忘れてしまったことを思い出すために。
そして、自分たちの力で「答え」を見つけるために・・・。
―求める「答え」を得るためには、自身の力で、たどり着かねばならない。
それが、この世界の理だから・・・。
すくむ足に二人分の勇気をこめて、ゆっくりと歩き出していく。
旅の果てにあるはずの「答え」と、待ちうける「試練」の数々と向かい合うために。